今日はランチのお片づけの場面をご紹介します。
見ての通りお皿を片づけています。
お皿にコップ、手前に写っているのは自分で使った
エプロンや口拭きの片づけカゴです。
下膳台はランチテーブルのすぐ近くにあり、
お皿を持って歩く距離が短くなるようにしています。
自分の食べこぼしも拾って、紙に包みます。
乳児期のお子さんは「つまむ」という行為がとても好きです。
大好きなつまむという行為を活かし、
食事の片づけをしています。
モンテッソーリ教育の考案者マリア・モンテッソーリは
当時、孤児院で子どもたちが食事の食べこぼしを拾い食べる様を見て
「浅ましい」とは思いませんでした。
「この子たちはお腹を空かしているのではない、
つまむという行為をしたいだけなのだ」
と、分析したのだそうです。
肩、肘、手首、指を繰り返し使うことで
機能を獲得しようとする身体の欲求がある
ということに着目しました。
森の子ナーサリーではモンテッソーリ教育に基づき
お子さんの欲求を可能な限り、生活の中の動きとして
落とし込み、生活をしながら
心と体の欲求を満たすことが出来るように
環境を整えています。
お子さんが鼻をかむときに使用する
ティッシュの横に鏡を置きました。
2歳児は3歳になる年齢のお子さんです。
鼻水が垂れていたら気にするお子さんも多くなってきました。
鏡を見て鼻水が垂れていることに気づくお子さん、
拭いた後に残っていないか確認するお子さん。
用途は様々です。
身だしなみに気を付けられるようになるということは、
品性を持つということですね。
品性を持ち、少しずつ人間らしい文化的な営みが
身に付いていきます。
自分のことで精いっぱいの乳児期ですが、
2歳児はすでに3歳になっているお子さんもいます。
段々と自分の事だけでなく、少し広い視野で
目の前の世界を見ることが出来るようになっていきます。
今日は公園に遊びに行きました。
お子さん達の視点は小さく細かいところに集まります。
今日の公園ではこの季節ならではの物を見つけていました。
降園の花壇で…
何を見つけたのでしょう?
分かりますか?
アリの巣です。
アリの巣から土をくわえたアリが顔を出しているのが
わかりますでしょうか?
昨日の大雨で崩れた巣を直しているのか、
何回も土をくわえて外に運び出していました。
次は何を見つけたのでしょう?
皆で夢中になって拾っている物は…
桑の実でした。
桑の木の下に沢山の実が落ちていたのを一人の子が
見つけると、みんなが集まり拾い始めます。
少し前までは花がきれいな季節でしたが、
花が終わると、実が成る植物が多いです。
お子さん達が触っても危険がないか判断できるように
森の子ナーサリーの保育士たちも日々勉強です。
大人が知らないからといってせっかくの自然に触れる機会を
奪いたくないですからね。
我々が知識を増やすことも環境設定の一つです。
さて、何をしているのでしょう?
エプロンを付け、自分で皮を剥き、
バターナイフを使い
バナナを切るお仕事をしています。
切ったバナナをお皿に盛り付け
テーブルに運び…
いただきま〜す!
森の子ナーサリーで行っているモンテッソーリ教育は
モンテッソーリ教育の4分野のうちの一つ
「日常生活の練習」を中心に行っています。
乳児だけの保育園ですので、自分の身の回りのことを
自分で出来るようになることが大きな目標です。
今回ご紹介した「バナナを切る」というお仕事も
日常生活の練習です。
「こんなこと日常生活でしない」と思った方もいるかと思います。
いかがでしょうか。
ご家庭でお母さんやお父さんが料理しているのを見て
真似したくなるお子さんは、たくさんいますよね。
包丁を使う場面は日常的にあることです。
それをちょっと子どもサイズにして、切りやすい
バナナを用意しただけです。
バナナの皮を剥く。
包丁を握る。
トングで掴む。
お皿を運ぶ。
これらの動きに必要な要素は他のお仕事を
通して身に付いています。
難しいことのように見えますが、
今までの積み重ねがあるお子さんにとっては
意外に簡単なことなのです。
こういったお仕事の積み重ねを通して
自分の身の回りの事ができるようになっていくのです。